座・高円寺 あしたの劇場「劇場へいこう!」 2023

Buongiorno a tutti!

中学生以下は今年も無料!

観るたびに、ちがう色、

観るたびに、ちがう匂い、

そして観るたびに、ちがう感触!

新しいのになつかしい、なつかしいのに新しい。

だれかとだれかをつなぐお芝居、今年も皆さんにお届けします。

座・高円寺では、2009年の開館より、地域の子どもたちのために作られた作品を上演する「劇場へいこう!」というプログラムを行っています。2012年からは、子どもたちの「劇場に行きたい」という願いに等しく応えるため、招待枠を中学生以下の子どもたち「全員」に広げ、中学生以下ならだれでも無料で観劇できるようにしています(事前に、座・高円寺チケットボックスにご予約が必要です)。

観劇は、劇場の未来に向けて、作品づくり、劇場という場づくり、人材づくりにもつながります。今年は、テレーサ・ルドヴィコ脚本・演出『小さな王子さま』と、佃典彦上演台本、西沢栄治演出『フランドン農学校の豚~注文の多いオマケ付き』を​​ご覧いただきます。

Photo: Yang Seungwoo
『小さな王子さま』

小さな星に住む小さな王子さまは、他の世界を知るために、

自分の星にたった一輪のバラを残して旅立ちます。

長い旅のとちゅうに王子さまが出会ったのは、

いばりんぼうの王様、うぬぼれ屋、ビジネスマン、

点灯夫、学者、種をまく人、たくさんの動物たち……。

感じたこと、考えたこと、たくさんの話を飛行士とするうちに、

王子さまが気づいたのは……。

サン=テグジュペリの『LE PETIT PRINCE』をもとに、

イタリアの劇作家、演出家のテレーサ・ルドヴィコが、日本の子どもたちのために作った作品。

小さな王子さまと一緒に心の宇宙の旅にでかけましょう。

Photo: Yang Seungwoo
『フランドン農学校の豚~注文の多いオマケ付き~』

ある国の農学校で、家畜として飼っていた一頭の豚。

人に食べられる運命を背負ったこの豚が、もしも人の言葉をわかったら?

迷った山の中で、ぺこぺこのお腹をみたすために、

お店の注文によろこんでこたえる二人の猟師。

もしも自分が食べられてしまうと知ったなら?

宮沢賢治の『フランドン農学校の豚』と『注文の多い料理店』は、

どちらも「食べる」と「食べられる」、両方から考えることができるお話です。

食卓での一口に、みんなが感謝できますように!

シンプルな舞台装置と、カラフルな色づかいで独創的な作品世界を創り続けているイタリアの演出家テレーサ・ルドヴィコ。観客の想像力を喚起する質の高い作品を発表し続けている彼女が手掛ける、座・高円寺3作目となる作品が、この『小さな王子さま』です。

テレーサは自分の作る作品についてこう説明します。「<子どもに向けて創ったけれど、大人も楽しめる作品>が、子どもも大人も楽しめる作品と呼ばれて、世界中で上演されています。ですが、私が作る作品は、そうした作品とは異なります。最初から<すべての観客を視野に入れて>創っています。つまり子どもは子どもの目線で、大人は大人の目線で見ることができる作品。客席で、もしかしたら違う要因で涙できるような、子どもも大人も等しく心動かすことができる作品です」

今回新作として選んだサン=テグジュペリの『星の王子さま』は、誕生してから80年、どの時代にも、子どもにも大人にも愛され続け、今では200以上の言語に訳され出版されています。物語の中で、私たちは、感動や感情のような大事なことは目には見えず、そうしたものは理性ではなく心から生まれるものだということ、小さな王子さまの宇宙の旅は、生きることの意味、友だちの意味、愛について考えるための思考の旅であることを、教えられるのです。

舞台は、原作と同じ時代。テレーサは、そうした話の内容をより現代の私たちに近づけて受け止めてもらうために、原作にはない登場人物を加えています。小さな王子が旅をしながら直面するのは今の私たちにとって重要な問題(気候変動、飢饉、森林の消滅、戦争、疫病、さまざまな依存症など)。それらを象徴する人物を登場させることで、観る人にこの話を自分の問題として考えることを促します。

「演出を考えるとき、つねに意識しているのは『大事なことは目には見えない』という言葉です。何もない空間で、照明による光と影を最大限に生かし、少ない装置、少ない俳優で演じる。たとえば、舞台上の飛行機がほかのものに姿を変えたり、7人の演者が歌い、踊り、衣装を次々と変えながら、たくさんの登場人物を演じます。すべてが夢の中のように宙に浮いているイメージです。」(テレーサ・ルドヴィコ)

彼女の思いを伝える演者たちは、前作『ピノッキオ』にも出演した俳優、髙田恵篤、髙橋優太、曽田明宏、今回新しく加わるダンサー酒井直之、山崎眞結、藤村港平、浅川奏瑛の7人。それぞれがセリフと音と体で表現する世界は、たった60分にも関わらず、アコーディオンの蛇腹のように、様々な要素が折りたたまれ凝縮されたテレーサ・ルドヴィコならではの世界を再現してくれることでしょう。ご期待ください。

テレーサ・ルドヴィコ 脚本・演出

93年よりテアトロ・キズメット(イタリア)で脚本、演出を手掛ける。世界各国で称賛を浴びた『美女と野獣』は、イタリア国内で「子どもと青少年向けの演劇ベストワン(lo stregagatto賞)」を受賞。『小さな王子さま』は、座・高円寺開館記念に創った『旅とあいつとお姫さま』、2作目『ピノッキオ』に次ぐ3作目。日本では他に『雪の女王』『にんぎょひめ』を演出。

『フランドン農学校の豚~注文の多いオマケ付き』は、宮沢賢治の2つの童話から生まれた舞台です。人が生きるために避けられない「食」。子どもたちにとっても日常的に耳にする食品ロスや食育にまつわる問題。演劇を通して、そうした問題の根底にある「食べること」そして「命」の大切さを感じ、考えてもらおうと、ストーリーテラーとして評価の高い劇作家、佃典彦に依頼して賢治の『フランドン農学校の豚』と『注文の多い料理店』を元にこの作品を創りました。

多彩な座組でさまざまなスケール感の作品を手掛け、経験豊かな演出家として注目を浴びる西沢栄治が、子どもたちに真っ向から向き合って創る本作品は、シリアスな内容の中にも、ユーモア、笑い、涙があり、歌とダンスを交えた五感を総動員できる舞台です。宮沢賢治の言葉の美しさを生かした俳優たちのセリフは、観る人の想像力を刺激し、リズミカルな歌と巧みなステージングは、演劇の楽しさを伝えます。荒井志郎、大野朱美、和田裕太、塚本淳也、小玉雄大、伊島 青、6人の出自の異なる個性的な俳優たちが「鼻」をつけることで順番に豚に変身し、豚の気持ちを演じていく様は、次は自分が、と、観ている観客を引き込みます。

「生きるために食べる」という人にとっての命題を、観客が互いに投げかけ、互いに考えあえるような、多様な可能性をもった作品です。同じ問題を同じ目線で考えるこの作品は、広い年代に好評を博し、2020年からは文化庁の学校巡回公演として全国の子どもにも、芝居を通して命と食の大切さを届けています。また、平成30年度厚生労働省社会保障審議会推薦作品となりました。

佃典彦(つくだ・のりひこ) 上演台本

愛知県出身。劇作家・俳優・演出家 劇団B級遊撃隊主宰。『KANKAN男』で第四回読売演劇大賞優秀作品賞。『ぬけがら』で第五十回岸田國士戯曲賞など受賞多数。

西沢栄治(にしざわ・えいじ) 演出

東京都出身。演出家。JAM SESSION主宰。日本演出者協会「若手演出家コンクール2003」で最優秀賞受賞。これまでの主な演出作品に『天保十二年のシェイクスピア』『女の平和』『四谷怪談』『阿部定の犬』『十二人の怒れる男』ほか。

<インフォメーション>

座・高円寺 劇場へいこう!

期間:2023年09月04日(月)~10月13日(金)

会場:座・高円寺1

チケット発売日:チケット発売中 発売開始日:2023年07月14日(金)

協賛:東邦ホールディングス株式会社、劇場へいこう!サポーターズ

後援:イタリア文化会館(『小さな王子さま』)、杉並区、杉並区教育委員会

企画・制作:NPO法人劇場創造ネットワーク

『小さな王子さま』(サン=テグジュペリの『LE PETIT PRINCE』から着想を得たお芝居です)

2023年9月4日(月)~9月24日(日)

脚本・演出:テレーサ・ルドヴィコ

翻訳・通訳:石川若枝 台本監修:佐藤信 美術:ルカ・ルッツァ

出演:髙田恵篤、髙橋優太、曽田明宏、酒井直之、山崎眞結、藤村港平、浅川奏瑛

『フランドン農学校の豚~注文の多いオマケ付き』 

2023年9月28日(木)~10月13日(金)

原作:宮沢賢治 上演台本:佃典彦 演出:西沢栄治

出演:荒井志郎、大野朱美、和田裕太、塚本淳也、小玉雄大、伊島 青

チケット:全席自由 

大人(18歳以上) 各 3,000円(税込)

ユース(16歳以上) 各 2,000円(税込)

「なみちけ」ご使用になれます

中学生以下のみなさんは無料です(事前に、座・高円寺チケットボックスにご予約ください)

☆「お星さま」割引(『フランドン農学校の豚』と『小さな王子さま』の2作品をご覧いただけます。座・高円寺チケットボックスで、前売りのみ取り扱い)

大人4,000円/ユース3,000円

※杉並子育て応援券がご利用いただけます(劇場チケットボックス窓口のみ取扱い)。

※車椅子のままでご観劇をご希望の方のために、車椅子スペースを用意しております(定員あり/要予約)。車椅子の大きさに制限がございますので、お申込みの際にお問合せください。■問合せ先:劇場チケットボックス03-3223-7300

※障がい者手帳をお持ちの方は、座・高円寺チケットボックスでご予約いただくと、1割引きになります。

◎チケット取扱い

座・高円寺チケットボックス(月曜定休)

03-3223-7300(TEL10:00〜18:00/窓口10:00〜19:00)

座・高円寺WEBチケット

https://www.e-get.jp/za-koenji/pt/

チケットぴあ

https://pia.jp/t/

Pコード:519-951

◎お問合せ:座・高円寺 TEL03-3223-7500

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