ジョヴァンニ・ソッリマ 無伴奏チェロ・コンサート 2023

Buongiorno a tutti!

「100チェロ」でもおなじみのイタリアの天才・鬼才チェリスト、ジョヴァンニ・ソッリマが3年ぶりの来日!今回の来日では無伴奏コンサートツアーに加え、ドキュメンタリー映画『氷のチェロ物語』の特別上映も行います。

Photo credit: Ishida Masataka

【主催者からのメッセージ】

激しく震えるチェロの心! 

2019 年に「100 チェロ」プロジェクトで来日以来、コロナにより 3 度の来日キャンセル/延期を経て、この 2023 年春、ようやく、初めての「ジョヴァンニ・ソッリマ無伴奏チェロ」来日ツアーが実現することになりました。ご協力くださいました皆様に感謝申し上げます。 

巨匠リッカルド・ムーティをはじめ、ヨーヨー・マら世界のトップアーティストたちに圧倒的に評価されるソッリマ。バイオリンのごとく高音域でも歌い、打楽器 のように荒れ狂う猛獣チェロ。クラシックの最高峰チェリストでありながら、クラシックを越えて地球上の様々な音楽を愛し、民族音楽もロックも自由に行き来するアーティストです。 

演奏家であると共に、作曲家として大活躍、数々のチェロ曲、協奏曲、シンフォニー作品、果てはオペラ作品も作曲し、その作品は、スケール大きく物語を描きます。 

それは、クラシックの最高の技術に裏打ちされた名人のなせる技なのです。 

彼のチェロに、どうして、こんなにも心が切なく揺さぶられるのでしょうか。 

その歌い方は甘く、やるせない。絹のように優しいかと思えば、激しい情熱があらわになる。彼の「心が激しく震えている」からにちがいありません。 チェロが、大木が、古えから「歌っている」のです??。 

ソッリマは「自分にとって音楽は自然のひとつ」だと言っています。幾重ものひだを重ねる波、大地と風の色彩を伴って、空気が振動し、謳う世界。 ソッリマは自然と一体化しようと体を張って試みる冒険をします。自身と楽器に重りをつけ、潜水して水中の音を感じ、あるいは、空中の風を得ようと、凧に楽器を吊り、空気を震わし、そして、氷点下 10 度、氷のチェロを抱き、かつての人々の記憶の声を呼び覚まします。想像はできても一体どんなアーティストがこんなとてつもないことをやってのけられるでしょうか。天才であり、鬼才であり、自然体のアーティストなのです。 

彼は、海に山に空に、樹々に、大気に、大地に、呼吸を感じ取り、命の美を見出そうとします。そう、彼の心は万象に震え、太古からの人々の魂を響かせようとしているのでしょう。チェロの歌を通して、その声を今に解き放っているのです。 

こんな感性豊かな最高の音楽家に出会えたこと、そして、今日、こうして感動を共有できる場を持てることをこの上なく嬉しく思います。 (株)プランクトン 代表取締役 川島恵子

【Anima siciliana ―“命”を奏でるチェロ】

《100 チェロ》プロジェクトのコンサートのために来日したジョヴァンニ・ソッリマに密着取材する機会を得たのは 2019 年の夏だった。インタヴューをおこない、リハーサルをずっと見学し、昼食を一緒にとり、本公演を堪能したその2日間を通して私の心に改めて深く刻まれたのは「命」という言葉だった。つまり、ソッリマは命そのものを奏でる人で あるということ、あるいは、彼のチェロは命そのものであるということ。 

奏でられる音のひとつひとつ、身振りのひとつひとつ、言葉のひとつひとつにエロスとパッションがみなぎり、生命力が躍動している。もちろんそれは、いたずらにテンションが高い人、という意味ではない。繊細なヴィブラートやピチカート、対話の中のちょっとした沈黙やほほ笑みからだって強烈な生命力が伝わってくる。そしてその生命力は、草木や 動物、土、水、風など、我々を取り巻くありとあらゆる存在に宿っていることをソッリマは知っている。彼の眼差しは常に、この世界で輝き、互いにつながり、生かしあうすべての命に注がれているのだ。 

9才でチェロを弾き始め、「ベートーヴェンを猛練習した翌日はフランク・ザッパを自由に弾く」ような少年だったソッリ マは、常に、ボーダーを越え続ける旅人だった。民族や人種のボーダー、文化のボーダー、ジャンルのボーダー、そし て時間のボーダー…。 だから、彼のコンサート・プログラムには、作曲家名としてバッハやベートーヴェンやドヴォル ザークなどと並んでピンク・フロイドやレナード・コーエン、メタリカといった名前も当然のように並ぶ。また、彼の自作曲 には、アフリカやアラブやインドやバルカンの音楽、ジプシー音楽、ケルト音楽など世界中の伝統音楽/民俗音楽の エッセンスがつまっている。太古よりさまざまな民族が去来し、いくつもの文化が混交、堆積してきた地中海の交差点 シチリアで生まれ育ったソッリマにとっては、異文化の混交も、そこから生まれる新しいハーモニーも、ごく自然のことなのだ。生まれながらの“世界人”としての彼の目は、いつだってこの地球という星全体を見つめている。 

チェロ1本だけを携えてやって来るジョヴァンニ・ソッリマ。しかしそのたった1本のチェロと Anima siciliana(シチリア の魂)は、私たちに世界の広さと多様さを、無数の生命の脈動と輝きを体感させてくれるはずだ。 

文=松山晋也(音楽評論家)

【プロフィール】

ジョヴァンニ・ソッリマ(チェリスト、作曲家) Giovanni Sollima 

Photo credit: Gian Maria Musarra

1962 年イタリア・シチリア州パレルモ出身。世界最高峰のチェロ奏者兼作曲家。音楽一家に生まれ、幼 い頃から音楽や楽器に囲まれて育つ。特に作曲家兼ピアニストであった父エリオドロ・ソッリマの影響で、幅広い音楽性を身につけた。パレルモ音楽院でジョヴァンニ・ペリエラからチェロを学び、優秀な成績で史上最年少で卒業。その後シュトゥットガルト音楽大学とモーツァルテウム音楽大学で、チェロをアントニオ・ヤニグロに、作曲をミルコ・ケレメンに師事する。 これまでにリッカルド・ムーティ(指揮者/多数共演)、マルタ・アルゲリッチ(アルゼンチンのピアニスト・ミラノで共演)、クラウディオ・アバド(指揮者/ウイーン・フィルやベルリン・フィルの指揮者)、ティグラン・マンスリアン(アルメニアの作曲家・ソッリマのために作曲)、ステファノ・ボラーニ(ピアニスト)、ペーター・シュタイン(ドイツのオペラ・演劇監督)など数多くの巨匠と共演し、絶賛を受けている。世界的チェリストのヨーヨー・マをはじめ、マリオ・ブルネロ、ミーシャ・マイスキー や2チェロ、NY ではフィリップ・グラス、パティ・スミス(シンガー・詩人)らとも共演。 カーネギー・ホール(NY)やクイーン・エリザベス・ホール(ロンドン)、スカラ座(ミラノ)、サル・ガヴォー(パリ)、チャイコフスキー・コンサートホール(モスク ワ)、シドニー・オペラ・ハウスなど世界中のトップクラスのホールで公演を行う。 

クラシック、古楽、バロック、オペラ、また、ジャズ、ロック、即興演奏まで、400 年に渡る音楽の歴史の旅を綴り、世界中の民族音楽まで飲み込んだ唯一 無二の演奏スタイルと作風を持つ。スピリチュアルな大自然のエレメントや歴史、文化、環境・社会問題まで取り込み、圧倒的な表現力で広大なスケール の音楽を生み出す。 

作曲家として高い評価を受けており、数多くのチェロ曲、協奏曲、オペラ、交響曲を作曲。オペラやバレエ、舞台の音楽製作も精力的に行い、ソッリマの楽 曲が世界中の音楽家により様々な舞台で演奏されている。現在も新作イタリア映画”100 Domeniche (100 の日曜日)”の音楽製作中。 

1998 年にフィリップ・グラス・プロデュースにより初アルバムをリリースし、以降これまでにソニーや EGEA、デッカなどで 10 枚以上の作品を発表してい る。後進の育成にも力を注いでおり、2010 年以来イタリアの名門サンタ・チェチーリア音楽院で教鞭をとる。2012 年には、エンリコ・メロッツィと共に、100 人のチェリストを集めて行うクリエーションとコンサート「100 チェロ」活動を開始、ヨーロッパで公演。2019 年には日本でも初開催、大成功を収めた。2019 年度の来日時は 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団(指揮:藤岡幸夫)と共演。 

2023 年来日公演では、初めての「無伴奏チェロ」コンサート・ツアーを全国で実施。また、日本フィルハーモニー交響楽団とドヴォルザークの「チェロ協奏 曲」を共演予定。来日中にはソッリマのドキュメンタリー映画『氷のチェロ物語』(原題: N-Ice Cello – Tale of the Ice Cello)も特別公開。 

Official Web Site:https://www.giovannisollima.org

<インフォメーション>

ジョヴァンニ・ソッリマ 

無伴奏チェロ・コンサート 2023 

後援:イタリア大使館、イタリア文化会館 

企画・制作/総合問い合わせ:プランクトン 03-6273-9307

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04/23(日)開場 13:15/開演 14:00 

埼玉 所沢市民文化センター ミューズ マーキーホール 

全席指定 3,800 円/ミューズメンバーズ倶楽部会員 3,000 円 

ご予約・お問い合わせ:ミューズチケットカウンター 04-2998-7777(10:00~18:00)https://www.muse-tokorozawa.or.jp/ 

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04/28(金)18:30 開場/19:00 開演 

大阪 あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール 

指定席 一般 4,000 円(友の会会員 3,600 円)/学生(25 歳以下)1,000 円 

ご予約・お問い合わせ:ザ・フェニックスホールチケットセンター 06-6363-7999(平日 10:00~17:00 / 土日祝 休業) https://phoenixhall.jp/ 

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04/29(土・祝)13:30 開場/14:00 開演 

兵庫 兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院 小ホール [SOLD OUT] 

指定席 A:5,000 円/B:4,000 円 

お問い合わせ:芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255 (10:00AM-5:00PM/月曜休み ※祝日の場合翌日) https://www1.gcenter-hyogo.jp/ 

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04/30(日)15:00 開場/15:30 開演 

東京 浜離宮朝日ホール 

料金(指定・税込)6,500 円/25 歳以下 3,500 円(当日に要身分証提示) 

※同日上映の映画「氷のチェロ物語」とのセット割引 7,000 円(映画+コンサート)(プランクトンのみ取り扱い) ご予約・お問い合わせ:プランクトン 03-6273-9307(平日 13~17 時)https://plankton.co.jp/ticket.html 

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★映画『氷のチェロ物語』(日本語字幕付き/上映時間 78 分)上映 

4/30(日)12:00 上映(11:30 開場) 浜離宮朝日ホール 

料金(自由席・税込・入場整理番号付き)1,000 円 

ジョヴァンニ・ソッリマが「氷」に挑む。イタリアのアルプスの氷河地標高 3200M で米人彫刻家の手により「氷のチェロ」が製作された。アルプスの山から地中海シチリアへと、氷 点下でのみ保たれる氷の彫刻チェロを伴って、イタリアの街を巡るロード・ムーヴィーが完成。ソッリマの悠久の音色が全編に響き渡る音楽ドキュメンタリー。 ———————————————————————- 

2023/05/03(水・祝)14:15 開場/15:00 開演 

神奈川 フィリアホール 横浜市青葉区民文化センター 

全席指定 5,500 円/25 歳以下 2,000 円 

ご予約・お問い合わせ:フィリアホールチケットセンター 045-982-9999(営業時間 11:00-18:00 第 3 水曜日休館) https://www.philiahall.com/html/series/230503.html 

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2023/05/04(木・祝)15:15 開場/16:00 開演 

東京 三鷹市芸術文化センター 風のホール ★【関連プログラム】即興演奏ワークショップあり 

料金(指定・税込)マークル会員 S 席 4,500 円・A 席 3,600 円 

一般 S 席 5,000 円・A 席 4,000 円/*O-70(70 歳以上・A 席限定)3,600 円/*U-23(23 歳以下・A 席限定)3,000 円 *ご入場の際に、身分証明書要提示 

ご予約・お問い合わせ:

三鷹市芸術文化センターチケットカウンター 0422-47-5122 https://mitaka-sportsandculture.or.jp/

ご予約:プランクトン 03-6273-9307(平日 13~17 時)https://plankton.co.jp/ticket.html 

総合問い合わせ:プランクトン 03-6273-9307 https://plankton.co.jp/sollima/ 

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●日本フィルハーモニー交響楽団定期演奏会に出演 

日本フィルハーモニー交響楽団 第 386 回横浜定期演奏会<春季> 

04/22(土)16:10 開場/17:00 開演 

神奈川 横浜みなとみらいホール 

指揮:原田慶太楼 

チェロ:ジョヴァンニ・ソッリマ 

曲目:ドヴォルザーク チェロ協奏曲 他 

料金(指定・税込)S:8,000 円/A:6,500 円/B:6,000 円/C:5,000 円/P:4,000 円 

Ys(25 歳以下):1,500 円(25 歳以下の方が対象のお席です。S 席以外から選べます) 

チケットお申し込み:日本フィル・サービスセンター 03-5378-5911(平日 10:00-17:00)https://japanphil.or.jp/concert/20230422

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ジョヴァンニ・ソッリマ来日公演 2023 記念トーク 

VOL.1「鬼才・ソッリマを知る!」 

2023 年 2 月 24 日(金)開演 18:30(開場 18:00) 

渋谷 Li-Po https://li-po.jp/ 

出演:古澤巖(音楽家/ヴァイオリン奏者) 

 水谷川優子(音楽家/チェロ奏者) 

 松山晋也(音楽評論家) 

聞き手:原典子(音楽ライター/編集者) 

VOL.2「鬼才・ソッリマを堪能する!」 

2023 年 4 月 1 日(土) 開演 15:00(開場 14:30) 

渋谷 Li-Po https://li-po.jp/ 

出演:海野幹雄(音楽家/チェロ奏者)ほか 

聞き手:原典子(音楽ライター/編集者) 

入場無料※要1オーダー(飲食代は各自ご負担ください) 

要予約(募集定員 max30 名) 

問・予約:プランクトン 03-6273-9307(平日 13~17 時)

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