Buongiorno a tutti!
未来に向かう世界の最高峰が集結!
『ベネチア・カフォスカリ短編映画祭 in JAPAN』(配給:マコトヤ、協力:テアトルシネマグループ、後援:イタリア文化会館)が、2022年10月7日(金)より10月20日(木)までシネ・リーブル池袋で上映することが決定したのでお知らせします。2022年5月にベネチア大学ほかベネチア島の複数会場で開催された第12回カフォスカリ短編映画祭を空気感ごと移植し、世界最高峰が集結したプログラムの一部を日本初上映。さらに商業映画館で短編映画すべてがDCP上映される日本初の試みともなっています。ポスタービジュアルが完成、上映作品が決定、世界的映画人からのコメントも到着しています。
『ベネチア・カフォスカリ短編映画祭 in JAPAN』は、映画についてワクワク語ること・映画を作ろうと集まること・そして何より映画を通して世界を目にし心を分かちあい世界中の人々とつながりたいと思う人たちが集うこと、誰もがホンモノの映画祭を楽しめる日本初の機会です。グランプリ受賞のデリバリー配達員の日々を描いたブラジルのミュージカル『ネオン・ファントム 』ほか12回インターコンペ ノミネート30作品他から9作品。スペシャルプログラムは日本人監督の3作品、12回プログラムから2作品と『真夜中乙女戦争』の二宮健監督が大阪芸術大学在籍時に作った2015年ノミネート『Daughters』を含む日本作品。世界最高峰の短編を全作品DCP化し日英字幕付で上映します。
下記のリンクから、主な作品の予告編をご覧いただけます。
【Main Program:International Competition nominees】
2022 インターナショナルコンペティション30作品より8作品+高校生作品グランプリ1作品
ネオン・ファントム Fantasma Neon – Neon phantom [ミュージカル ギグエコノミー] A
*2022年カフォスカリ短編映画祭グランプリ
*2021年ロカルノ映画祭最優秀国際短編映画賞(金豹賞)
フードデリバリー配達員はバイクを買って稼いで旅行するというミュージカル映画のような生活を夢見ている。だが現実は違う、不十分な賃金、無愛想な客、絶え間ない脅迫…。出演は俳優と実際の配達員、監督は博士課程在籍中に「ブラジルの新人映画監督トップ10」に選出。
監督:レオナルド・マルティネッリ|2021|ブラジル|ポルトガル語|20分|©Leonardo Martinelli
脳内爆笑 My brain burst out laughing [アニメーション 社会風刺] C
あらゆる人間は世界の不条理な要因の捕虜であり、自分以外の人間を物質的な欲望の虜にするという事象が歴史的に繰り返されている。アニメーター、コンセプトアーティスト、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても注目される1993年生まれテヘラン在住の監督による人類に対する警鐘。
監督:アリ・アスタラキ|2021|イラン|7分15秒|©Ali Astarak
野の匂い Zapah polya – The smell of the field [ドラマ ジュブナイル 家庭] B
問題のある家庭で暮らす少年・コーリャ。彼の夢は母親が酒をやめること。1996年フェオドア生まれの監督が国立航空大学航空宇宙研究所応用物理学部学士号を取得後に演出を学び完成させた本作データをウクライナから持ちだしていたため上映が実現。大好きな母は占領地に残っているという。
監督:アンドリアーナ・ヤルモノバ|2021|ウクライナ|ウクライナ語|20分20秒|©Andriana Yarmonova
トイナー博士 Teuner [ドラマ 心理 歴史] C
保護国協力隊の元代表でボヘミアモラヴィア青少年教育キュラトリアムのリーダー、トイナー博士の戦後の運命を実話に基づき描いた心理ドラマ。1950年代の共産主義下の刑務所で、獄医として献身的な姿勢で多くの囚人の共感を得たが…。南モラヴィア生まれの監督がミロス・フォアマン作品の撮影監督が後援する映画学校で撮った。
監督:オンドレジュ・ベベルカ|チェコ共和国|チェコ語|28分36秒
ププス [ドキュメンタリー 人形劇・SDGs] C
ある小さな劇場に人形遊びが大好きな子供がいた。想像力で満たされた観客の沈黙に包まれ小声で物語を朗読する。1990年パレルモ生まれの監督が、ユネスコの世界無形文化遺産、シチリアの伝統的な人形劇を伝えるマンクーゾ家のシアターラボを舞台に、芸術の伝承過程における父と子の関係を調査した観察ドキュメンタリー。
監督:ミリアム・コッス|2021|イタリア|イタリア語|32分|©Centro Sperimentale di Cinematografia
お墓のテーブル [ドラマ 戦争] B
家族と離れて暮らす孤独なウカ。ある日、彼の家の玄関先に、セルビアの準軍事組織の包囲網から逃れてきた娘と孫の姿を目にする。ウカの家も完全に包囲され、しかも民兵が居ついている。ウカは狂っていると見せかけ、妻の墓の横にある地下の棺に娘と孫を隠す。監督は、俳優としても活動する1997年生まれ。
監督:ミラク・ジンベライ|2021|コソボ共和国|アルバニア語|15分55秒
見果てぬ愛の物語 [ドラマ LGBTQ] A
殺された青年の家に幽霊がでるという。家に忍び込んだ少年はそこで見つけた日記に綴られた隠された愛の物語を追体験する。切ない衝撃の愛。1995年サンチャゴ生まれの監督は都市近郊の日常生活から得たクィアなイメージを批評的な視点で分析する。
監督:ザビエル・アロンソ|2021|チリ共和国|スペイン語|26分07秒
もう一人の白い少女 [ドラマ 人権] B
*2022年カフォスカリ短編映画祭パテ・サバリー多文化賞 *同映画祭 WeShort特別賞
セーチェメ・20歳は、肌の色は違うが両親や姉たちと暮らす「普通の人」。自分を受け入れられないでいる「孤独な人」。友人のメラニーが笑わせ夢を見させ、セーチェメは愛について考えはじめる。アイデンティティを模索するアルビノを描いた心理ドラマは1994年生まれの監督のISMの卒業制作作品。
監督:メデッセ・アグンジェ|2021|ベナン|フランス語|12分32秒 ©ISMA 2022
サウンド・オブ・ボーダーズ [クレイアニメ 少年期] A
*オルガ・ブルナー・レビ 高校生コンペティション グランプリ
世界のどこか別の場所に生まれた自分を想像する少女。「この世界では、生まれた国によって、ある人々にはたくさんの制限があります。でも私たちはそれぞれ能力や情熱を持った特別な存在、顔や体や肌の色で決まるわけではありません。自分が自分であることはお互いを受け入れることにつながるから」。
監督:バハール・レズバニファ|2021|イラン|英語|1分24秒|©Bahar Rezvanifar
【Special program:Japanese short films】
日本の3作品
Daughters [ドラマ 家族] A
<2015年カフォスカリ短編映画祭インターナショナルコンペティション ノミネート>
妻に先立たれた老人・実は、区画整理で長年住んでいた家を追い出される。宿なしとなった実は、妻が大事に育てていた植木鉢を片手に、秩父に住んでいる娘たちを訪れる…。『チワワちゃん』『真夜中乙女戦争』の二宮健監督が、大阪芸術大学在学中に、山谷初男さんを主演に迎えて撮った、これまでとは一線を画する静謐な作品。
監督:二宮健|2014|日本|日本語|20分|©2014 ASHTRAYARTS
バグマティ リバー [ドラマ 家族] B
<2022年カフォスカリ短編映画祭 East Asia Now部門上映>
絵葉書を受け取った那⽉は2年前にエベレストで⾏⽅不明になった兄を探しにネパールへやってくる。兄は生きているのか、なぜ山に向かったのか…。監督は『Noise ノイズ』『ぜんぶ、ボクのせい』など実体験を基に社会を見つめ死を描き続ける。「友人の登山家、栗城史多(享年35)の死を受け入れるための映画でもある」。
監督:松本優作|2021|日本|日本語・英語|29分|©MOON CINEMA PROJECT
よろこびのうた Ode to Joy [ドラマ 孤独 共有] C
<2022年カフォスカリ短編映画祭「三島有紀子の世界」上映>
ポスティングのパートと年金で、ひとり細々と生きる75歳の冬海。ある日、海での散歩の途中、東北弁を話す優しい青年・歩と出会い、とある仕事に誘われる。もし100歳まで死ななかったらあと25年・・・生活の不安、ちょっとした贅沢をしたいという小さな欲望。怪しいと理解しつつも報酬に惹かれ、引き受けることに決める冬海。お金と安心を得るため、二人は背徳的な仕事へと車を走らせる。
監督:三島有紀子|2021|日本|日本語|10分|© 2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.
About the films:All DCP screenings are subtitled in English (may vary by cinema).
【開催にあたって寄せられたコメント】
*敬称略
短編映画祭の作品が日本で商業配給され映画館で上映されるというのは、前代未聞のニュースです。ベネチア大学にとっては、情熱的な学生チームとともに行った研究の素晴らしさが認められたということ。 選ばれたフィルムメーカーにとっては、魅力的な映画界へのキャリア最高のステップとなることでしょう。
ーーーアルベルト・バルベラ:ベネチア国際映画祭ディレクター
カフォスカリ短編映画祭は数少ない特別な機会、成長中のフィルムメーカーが集い、彼らの作品を共有し、同時にその情熱と展望を育んでいくのです。いかなるアーティストにとっても、美しいロケーションとクリエイティブでポジティブな環境はうらやましい限り。次世代の映像作家が育っていくのを目の当たりにできるのはとても嬉しいことです。毎年、どんな作品が登場するのか楽しみでなりません。
ーーーロッブ・プラット:ディズニー・テレビジョン・アニメーション スーパーバイジング・ディレクター
短編映画祭は実験と創造のための貴重な空間です。新しい世代が、映画を愛し創り、これまでを知りこれからを想像する道筋なのです。短編万歳!
ーーーロベルタ・トーレ:映画監督
短編映画は、初期衝動、情熱のかたまり。自分自身長編を作る時も、いつも短編映画を作る気持ちで挑んでいます。日本の大小さまざまな映画をイタリアに紹介してくださるロベルタさん。その深い見識、ユニークなものを見出す感性。彼女が作り出した映画祭ですから、新しい才能の芽がたくさん詰まった充実の作品群であることでしょう。
ーーー塚本晋也:映画監督
カフォスカリ短編映画祭で上映される作品は、商業映画や巨匠の芸術映画も含めた映画全般でみてもクオリティの高い作品が多い、とご覧になった方はいいます。学生が主体となって運営する映画祭に来てよかった、映画初期衝動に満ちた刺激的な日々を楽しんだとも耳にします。日下部さんとともに12年前に始めた映画祭に集まる作品は数も質も当初からは信じられないほどになりました。日本での劇場公開は飛躍の象徴です。
ーーーロベルタ・ノヴィエッリ:カフォスカリ短編映画祭ディレクター、国立ベネチア大学教授
【カフォスカリ短編映画祭とは】
映画に関わり続けることを望む学生たちのために、ベネチア大学のロベルタ・ノヴィエッリ教授が2011年に大学施設を使って始めた映画祭。世界各国の学生作品によるインターコンペを主軸にした多数の部門の運営実務をベネチア大学学生が担う学生による学生の映画祭であると同時に、若い学生たちが世界各国から審査員やマスタークラス講師として参加する映画のプロフェッショナルと出会う場であり、ベネチアまたベネト州の様々な財団や企業が未来に向かう姿勢を具体で応援する機会であり、何よりベネチア市民や訪れた観光客が未来に向かう世界各国の新しい視点との出会いを提供してきた。インターナショナルコンペティション部門への応募数は例年2500~3000、2023年の第13回作品受付が始まった。
<インフォメーション>
ベネチア・カフォスカリ短編映画祭 in JAPAN
日本初上映! シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
期間:10月7日(金)~10月20日(木)
会場:シネ・リーブル池袋
池袋駅直結・ルミネ池袋8F(西口・東武百貨店隣接)TEL 03(3590)2126
上映スケジュール:https://ttcg.jp/cinelibre_ikebukuro/movie/0909100.html
配給:マコトヤ 協力:テアトルシネマグループ 後援:イタリア文化会館