映画で旅するイタリア2016 第4回『幸せのバランス』

Buongiorno a tutti!!
 
本日は、4月より渋谷アップリンクで開催されている『映画で旅するイタリア2016』より、第4本目の作品『幸せのバランス』のご紹介です!
 

©COPYRIGHT 2014 Action Inc.
 
 
<ストーリー>
ローマ市の職員で福祉課に勤め、妻(エレナ)と二人の子供と穏やかな生活を送っていたジュリオ(40歳)。ふとしたはずみで、同僚の女性に送ったメールから、彼女との浮気がエレナの知るところとなり、夫婦仲は険悪に…。話し合いをして、子供のために、仲の良い夫婦を装うと努力することにしたが、ある日、注文を間違った50代のピザ配達員に同情したジュリオが、エレナの嫌いなアンチョビ・ピザを受け取ってしまったことで、ついにエレナが爆発!子供たちの前で大げんかをしてしまう。「もう繕うことはできない」と言うエレナ。それに対してジュリオは、「君が正しい。私が家を出る」と宣言する。
 
 

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思春期の娘カミラは、不器用な父親が心配でならず、部屋探しを手伝い、頻繁に連絡して、つながりを保とうとする。だが、限度を超えた借金をし、夜のバイトをしても支払いが追いつかない、ギリギリの二重生活の中で、ジュリオは疲弊し、次第に無口になっていく。それは、安定した職つき平穏に暮らして来たジュリオ本人にとっても、初めて直面する厳しい現実だった…。
 
 

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ローマと言えば、人気の観光地。南欧全体が厳しい経済状況の中、一見して、ごく普通の勤め人に見える人が、実は、離婚した結果、車で寝泊まりするようになっていた…。そんな新聞記事のタイトルが、この映画の原題となりました「Gli Equilibristi」。これは直訳すると「綱渡り」。ギリギリの生活を何とか保っていることを表現しています。イタリアでは、元は中流だったのに、新たな貧困層(月収1,100ユーロ)と呼ばれる人々が増えています。この映画の中の父親ジュリオは公務員という堅い職業についていますが、月収は1,200ユーロ。妻エレナと共働きで家族4人が生活していけていたことを、独りになって初めて実感することになります。
 
 

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主人公を演じるのは『フォンターナ広場』の刑事役が記憶に残るヴァレリオ・マスタンドレア。過酷な日々の中で徐々に疲弊していくジュリオの心境を見事に表現した本作で、2013年のダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で主演男優賞に輝いています。
 
 
 
 
 
『幸せのバランス』 Gli equilibristi
 
(2012年/イタリア、フランス/カラー/107分)
 
・監督:イヴァーノ・デ・マッテオ
 
・配給:Action Inc.
 
・上映日時:7月26日(火)19:30~ (開場19:15~)
※上映後、野村雅夫氏によるトークイベント
 
・料金:前売 一般¥1,500 / UPLINK会員¥1,300
   当日 一般¥1,800 / UPLINK会員¥1,300
 
・会場:渋谷アップリンク FACTORY(1F)
 
※詳細は、特設webページよりご確認ください。
 
 
 
--今後の上映作品--
8/30(火) 『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』
9/27(火) 『越境の花嫁』
 
 
 
 
 
 
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