Buongiorno a tutti!
今日は8月9日 (日)まで東京芸術劇場ギャラリー1で開催されている
「世界報道写真展2015」
を紹介します。
マッシモ・セスティーニ
(イタリア)2014年6月7日、リビア沖
「世界報道写真展」は1955年にオランダのアムステルダムで、世界報道写真財団が発足したことにより、翌年から始まったドキュメンタリー、報道写真の展覧会です。
今年の「第58回 世界報道写真コンテスト」には、131の国と地域、5,692人のプロの写真家から、合計9万7,912点の作品が応募されました。
マッズ・ニッセン
(デンマーク、Scanpix/Panos Pictures)ロシア、サンクトペテルブルク
今年は41人がコンテストでの入賞を果たしました。
コンテストの部門は全部で8つ。
さらにそれぞれが「単写真(写真1枚)」と「組写真(複数の写真で構成)」に分かれています。
入賞者は部門毎に各1位から3位までのいずれかに該当します。
入賞者の中から、その年の最も優れた写真1点に対しては「世界報道写真大賞」が贈られます。
今年の大賞受賞者はデンマークのマッズ・ニッセン氏がロシアで同性愛の男性2人の姿を撮影した作品です。
同氏は「ロシアでは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(LGBT)の暮らしがますます困難になっている。性的少数者は法的、社会的な差別や嫌がらせ、犯罪の被害にさらされている」ととらえています。
「一般ニュース」の部などでは、ウクライナの混乱を示す写真も受賞しています。
セルゲイ・イルニツキー氏(ロシア)はウクライナ・ドネツク中心街の台所の残骸を撮影し、多数の死傷者を出した砲撃の惨状を静かに伝え、「一般ニュースの部」単写真1位を受賞しています。
また、スポーツや自然、ポートレートなど幅広い分野の写真を紹介しているのも本展の魅力です。
鮑泰良氏(中国)はサッカーW杯の決勝戦で、ドイツに敗れたアルゼンチンのメッシ選手を捉え、アミ・ヴィタール氏はケニア北部の自然保護区に生きる野生のサイとサンブル族の若者を撮影、受賞しました。
さらに、今回からは「長期取材」の部が新設され、前年に撮影された写真だけではなく、長期プロジェクトで撮影した作品も展示されます。
アミ・ヴィタール
(アメリカ、ナショナルジオグラフィック誌)ケニア北部、レワダウンズ自然保護区
同じ時代を生きる人たちの、普段目にすることが少ない現実。
写真展を通して、世界で起きている紛争や現代社会の問題、奇跡的なスポーツの瞬間や、壊されゆく自然の姿を知ることのできる貴重な展覧会です。
公式サイト→http://www.asahi.com/event/wpph/