イタリア人監督ウベルト・パゾリーニの最新作『おみおくりの作法』(原題:Still life)が先週から公開となりました。この作品、イギリス、ロンドンを舞台に悲しくも孤独死を迎えてしまった人々の葬儀を職務とする民生委員ジョン・メイの物語。
こんな仕事があるなんて皆さん知っていましたか?この映画は、監督が実際に新聞に掲載された葬儀を手配する仕事の記事を読んだことから生まれた作品であり、誰にとってもいずれは訪れる死という身近でありながらあまりふれたくない話題をユーモアと監督の温かい人間賛歌の視点から描かれた力作です。
余談ですが、パゾリーニ監督、あの日本でも大ヒットした『フル・モンティ』の製作者でもあるんです。それだけでも、見たくなってしまう映画ですよね。今週は、是非映画館に足を運んでみてはいかがでしょう?きっと心に残る作品に出会えること間違いなしです!
ロンドンの南部、ケニントン地区の公務員である44歳のジョン・メイ(エディ・マーサン)の仕事は、孤独死した人の葬儀を執り行うことである。几帳面な彼は死者の家族を見つける努力を怠らず、その人のために葬礼の音楽を選び、弔辞を書く。規則正しい仕事と生活をしながら、ジョン・メイはいつもひとりだった。ある日の朝、ビリー・ストークという年配のアルコール中毒患者の遺体が、ジョン・メイの真向いのアパートで発見される。自分の住まいの近くで、その人を知らぬままに人が孤独死したという事実にショックを受けるジョン・メイ。
さらにその日の午後、彼は仕事に時間をかけすぎるという理由で解雇を言い渡される。最後の案件となったビリー・ストークのために、ジョン・メイはこれまで以上に情熱を傾ける。ビリーの部屋にあった古いアルバムで満面の笑顔の少女の写真を見つけた彼は、イギリス中を回り、ビリーの人生のピースを組み立てていく。旅の過程で出会った人々と触れ合ううち、ジョン・メイにも変化が訪れる。自然と自分を縛ってきた決まりきった日常から解放されたジョン・メイは、いつもと違う食べ物や飲み物を試し、知り合ったばかりのビリーの娘ケリー(ジョアンヌ・フロガット)とカフェでお茶をする。まもなくビリーの葬儀が行われることになっていたある日、ジョン・メイは人生で初めての行動に出る……。
2013年/イギリス=イタリア/91分/カラー
提供:ビターズ・エンド、サードストリート
配給:ビターズ・エンド
© Exponential (Still Life) Limited 2012
Official Site: www.bitters.co.jp/omiokuri
Facebook: www.facebook.com/omiokuri
Twitter: @omiokuri_movie
2015年1月 シネスイッチ銀座ほか、全国順次ロードショー!