Buonasera!
11月20日、イタリア文化会館アニェッリホールでイタリアの現代音楽シーンを牽引するサルヴァトーレ・シャリーノ(Salvatore Sciarrino)氏と、新進の在日カナダ人作曲家ゼミソン・ダリル(Daryl Jamieson)氏のモノオペラを2作品、上演します。
今回取り上げるモノオペラ2作品は、いずれも「束の間の人の命の尊さ/はかなさ」を通奏低音としたもの。シャリーノが1981年に作曲した「ヴァニタス」は、このモチーフを様々に変奏する労作で、数あるシャリーノの作品の中でも傑作の一つと評価されています。戦後モダニズムの伝統の中でも最も贅沢に織り出された音の世界をじっくりお楽しみください。
一方ゼミソンによるモノオペラ「松虫」は、この演奏会のために新たに書かれたもの。20日の演奏会が世界初演です。同名の能の演目を典拠にシャリーノの「ヴァニタス」と似た主題を仏教的・人間的側面から扱おうとする作品です。2作品の根底に流れているのは人の命の儚さ、殊に私たちの多くが忘れがちな「メメント=モリ」のメッセージです。2つのモノオペラを続けて演奏することで、音楽そのもの以上の意味を聞きとっていただけたら、と思っております。20日は皆さま、イタリア文化会館でお目にかかりましょう。
「ヴァニタス」
出演:太田真紀(ソプラノ)・大須賀かおり(ピアノ)・竹本聖子(チェロ)
「松虫」
出演:吉川真澄(ソプラノ)・大須賀かおり(ピアノ)・竹本聖子(チェロ)・是澤悠(オーボエ・イングリッシュホルン)
日時:2014年11月20日 イタリア文化会館アニェッリホール
開場:18時30分
開演:19時00分
チケット:工房・寂メール(atelierjaku@gmail.com)にお申し込みいただくか、チケットぴあ(Pコード238240)で購入可能